病気やけがの治療などで大切な役割を果たす「薬」。しかし、程度に差はありますが、薬は効き目(効能・効果)だけでなく、副作用という「リスク」も併せ持っています。重い症状では死に至ることも。そこで、薬を安心して使うためには、薬に関するリスク、正しい使いかたや保管方法を知ることが大切です。そして、薬の服用歴が分かる「お薬手帳」や、薬について身近に相談できる「かかりつけ薬剤師・薬局」を持つことも有効です。今回は、知っておきたい薬の基本的な知識をご紹介します。
10月17日~23日は『薬と健康の週間』
知っておきたい 薬のリスクと、正しい使い方
❶知っていますか? 薬のリスク
薬は、病気やけがを治療するなどの効果・効能がある一方、副作用というリスクを併せ持つものです。
薬を飲むと、本来の目的とは別に、眠気やのどの渇きなどといった副作用が起こる可能性があります。
また、アナフィラキシー(注)などの重い副作用の症状を引き起こす可能性もありますので、薬を使用して異常を感じたら、すぐに医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。 ただし、薬を使用すると必ず副作用が現れるものではありません。もし現れたとしてもその症状は服用した人や薬によって異なりますが、次に当てはまる人は特に注意が必要です。医師や薬剤師などの専門家に相談してから使用するようにしましょう。
(注)アナフィラキシー(anaphylaxis) アレルギー反応の一種で、じんましん、腹痛、息苦しさなどが急激にあらわれます。血圧が低下して意識レベルの低下や脱力をきたすこともあります(アナフィラキシーショック)。
薬の副作用について特に注意が必要な人
- アレルギーのある人
- 過去にひどい副作用を経験したことがある人
- 医師の治療を受けている人
- 肝臓・腎臓など、薬の成分を代謝・排泄する臓器に疾患のある人
- 他にも薬を飲んでいる人
- 妊娠の可能性がある女性、妊娠している女性、授乳中の女性
- 高齢者
- 高い所での作業や乗り物・機械類の運転操作をする人は、眠気などの副作用に注意が必要です。
薬の使用中に何か異常を感じたら、すぐに医師や薬剤師などの専門家に相談してください。その際には、「何という名前の薬を、どのくらいの量・期間使用し、どのような症状が出たか」を説明できるようにすることが大切です。
❷薬にはどんな種類があるの?
薬は「医療用医薬品」と「市販薬(OTC医薬品)」の大きく2つに分類されます。
「医療用医薬品」は医師がその人の病気、症状、体質、年齢などを考えて処方する、その人だけに合った薬です。「OTC医薬品」とは、「薬剤師などによる情報提供を踏まえて、症状にあわせて薬局などで購入できる市販の薬で、「要指導医薬品」と「一般用医薬品」の2種類があります。
「要指導医薬品」は、医療用医薬品からOTC医薬品に変更となってからの期間が比較的短いものや劇薬が該当します。そのため、購入する際には、薬剤師から対面での情報提供や指導を受ける必要があります。「一般用医薬品」は、リスクに応じて、第1類から第3類までの3種類に分けられます。
❸薬の正しい使い方とは?
薬の正しい使用方法
(1)使用前に説明書をよく読む
医療用医薬品・OTC医薬品には必ず説明書がついています。正しい使い方や効能・効果のほか、副作用や保管上の注意に関することが記載されているので、使用前には必ず目を通す習慣を付けましょう。また、捨てずに保管し、必要なときにはすぐに読めるようにしておくことも大切です。
(2)用法・用量、タイミングを正しく守る
飲み薬は決められた量よりも多く飲めば更によく効く、というものではなく、逆に副作用や中毒などが現われる危険もあります。薬を飲むタイミングについても同様です。特に高齢の方や妊娠中・授乳中の方、小児などの場合は、薬の種類や使用する用法・用量に注意する必要があります。医師や薬剤師などの専門家から十分に説明を受け、正しく使用しましょう。
(3)薬の形状(錠剤・カプセルなど)に注意
治療効果の向上や副作用防止のため、錠剤や粉薬、カプセル、シロップといった様々な形状に工夫されています。形状によっては使い方に注意しましょう。
(4)薬の飲み合わせ
複数の薬を使用している場合、飲み合わせが悪いと十分な効果が得られなかったり、逆に効き過ぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
また、食品やサプリメントの中にも、薬との飲み合わせが悪いものもあります。
使い方の注意例
錠剤、カプセル
これらの中には、薬に含まれる有効成分が少しずつ溶け出す、あるいは胃ではなく腸で溶けて効くように工夫された薬もあります。そのため、むやみに噛んだりつぶしたり、またはカプセルをはずしたりしてはいけません。どうしても飲みにくい場合は、医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。
目薬
容器の先に、目やまつ毛が触れないようにしましょう。また、2種類使用する場合は、少なくとも5分程度の間隔を空けましょう。
薬の正しい保管方法
使い方と同様に薬を正しく保管することも重要です。その際には、特に次のような点に注意しましょう。
(1)こどもの手の届かないところ
こどもの誤飲を防ぐために、こどものすぐ手の届く場所に薬を放置しないようにしましょう。薬を廃棄する際にも、こどもの目に触れないように処分しましょう。
(2)湿気、日光、高温を避ける
薬は、湿気・光・熱によって影響を受けやすいため、湿度の高くない、直射日光の当たらない、高温にならない場所で保管しましょう。
また、冷蔵庫で保存するよう指示された薬は、凍らせないように気を付けましょう。
(3)薬以外のものと区別
誤使用を避けるため、食品・農薬・殺虫剤・防虫剤などと一緒に保管するのは絶対やめましょう。
(4)他の容器に入れ替えない
薬の種類や使い方が分からなくなり、誤使用によって事故を招くおそれがあるため、薬を他の容器に入れ替えての保管は避けましょう。
(5)古い薬は廃棄
使用期限を過ぎた薬は、分解や成分の変質によって本来の効果が得られなくなっている可能性があります。そのため、使用期限を過ぎている、または見た目に異常がある薬の使用はやめましょう。使用期限を過ぎた古いOTC医薬品は、未開封でも捨てましょう。医療用医薬品で飲み残しがある場合は、薬局に相談しましょう。
❹薬をより安全に使うには?
自分が使っている薬の記録をつけておくための「お薬手帳」をオススメします。
これによって普段使用している薬や、薬に関する情報を正しく知ることで副作用や誤飲の防止などにつながる、薬によるアレルギー経験なども医師や薬剤師へ正確に伝えられるというメリットがあります。
「お薬手帳」に記載する主な項目
- 氏名、性別、生年月日、血液型、住所、電話番号、緊急連絡先
- アレルギー・副作用歴の有無、過去の病歴、かかりつけ医・薬剤師 など
- 服用薬に関する情報、処方された薬の名前、用法・用量・期間 など
「お薬手帳」の利用方法
- 医療機関や薬局に行った際には、毎回必ず医師・薬剤師に提出
- 薬剤師が薬の情報(名前・飲み方・注意点など)を記入、または渡された説明文書などを自分で貼付
- (必要に応じて)処方された薬に関して不明な点や気付いたこと、服用後に気分が悪くなったことなどを自分で空欄などに記入
なお、お薬手帳は診察・薬の購入時だけでなく、災害などの緊急時に備えて常に携帯しておくと、いざというときに安心です。
また、医療機関や薬局ごとに手帳を分けてしまうと、医師や薬剤師が正確な判断をしにくくなるため1冊にまとめましょう。スマートフォンなどで利用できる電子版お薬手帳もありますので、使いやすいものを選んで活用しましょう。
薬について安心して気軽に相談したい!
医師が発行した処方せんはどこの薬局でも取り扱ってくれます。しかし、受診する医療機関によって薬局を変えるのではなく、“かかりつけ”の薬剤師・薬局を持つことをお勧めします。
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政府広報オンライン「健康・医療・福祉(知っておきたい 薬のリスクと、正しい使い方)」を加工して作成