在宅薬剤師のもり日記_20

在宅薬剤師のもり日記_20

在宅薬剤師として業務を行う中で、患者さんやご家族、医療者の皆さんが、患者さんの「死」に向き合う姿をさまざまな場面で目にしてきました。

 数年前、がんの患者さんの自宅で行われたミーティングで、医師が「自分も死ぬならがんで死にたい」とおっしゃり、はっとしたのを覚えています。当時の私は自分の死について、こうした場で口に出せるほど考えをめぐらせたことがなかったからです。

私ならどこで、どんなふうに死を迎えたいか、自他にとって死とはなんなのか。もちろんなかなか答えは出ませんが、医療者として、個人として、考えることは大切かもしれないと思います。そして、仕事を通じてその機会を持てることにいつも感謝しています。