ファーマシィ薬局引野

ファーマシィ薬局引野

開  局:2021年4月

所 在 地:〒721-0941
     広島県福山市引野町北5-8-16

アクセス:JR山陽本線東福山駅より徒歩14分

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『薬剤管理サマリー』を導入して 病院と密に連携した在宅医療を。

“福山在宅”に対応する 高い機能を備えた薬局

 当薬局の前身は『ファーマシィ薬局春日在宅ケア』という名称で、在宅医療を専門に行う薬局でした。しかし、建物が手狭で、在宅医療に欠かせない点滴薬や医療材料などの保管スペースが少なかったことから、今後の在宅患者の増加を見越して今年4月、現在地に移転のうえ、外来機能も備えた『ファーマシィ薬局引野』として開局しました。
 こうした経緯から、当薬局は在宅医療機能が充実しており、非常勤を含めて8名いる薬剤師のうち3名がほぼ在宅医療専従で、約200名に及ぶ患者さんを診ています。しかも、〝福山在宅〞との通称で全国的に知られるほど在宅医療や自宅での看取りが進んでいる広島県福山市にあるので、病状が急速に変化しやすい末期がんなどの終末期患者が多く、ひとりの患者さんを週に3〜4回訪問するようなケースも珍しくありません。

病院の要望を汲んだ情報を 提供して連携関係を強化

 在宅医療においては、病院と薬局の連携がきわめて重要になります。しかし、一般的に疑義照会のような連携は行われていても、在宅ですごしていた患者さんが入院する際、薬局が在宅での服薬状況を病院に伝え、スムーズな移行を実現するような連携は不十分なのが現実です。そこで、我々が前身の薬局の時代から導入し始めたのが『薬剤管理サマリー』(【資料】)です。

【資料】薬剤管理サマリーの見本

 薬剤管理サマリーは、患者さんが在宅療養中にどんな薬剤を服用し、どんな状態であったかなどを記載して、主に計画入院時に病院薬剤部へ提出するものです。スタート時は、手探りをしながらの作成でしたが、病院が求める情報は何かを汲み取って精査し、内容を充実させていきました。
 たとえば、入院時に患者さんが持ち込む大量の持参薬の中には、すでに服薬を止めている薬剤まで混ざっている場合も多く、確認作業が病院の大きな負担となっていたので、我々が代わって現在の服薬情報を整理してお伝えしたり、患者さんの性格やご家族との関係といった薬剤以外の情報も記載するようにしました。また、服用する薬剤がどのように変遷してきたのかをお薬手帳だけから把握するのは困難なので、それらが一目でわかる『一元管理表』も添付し、今では病院の方々に「たいへん助かります」とおっしゃっていただいています。
 こうした努力が信頼関係を深めることになったのでしょう、以前は入院後に患者さんが亡くなった場合、特に連絡がなかったのですが、最近は患者さんがどのような経緯を経て最期を迎えられたのか、病院が我々に知らせてくれるようになりました。

自宅で看取られることが 不可能ではないと広めたい

 在宅医療は、一般の方には認知度がまだまだ低く、ましてや薬局薬剤師と医師がタッグを組み、医療用麻薬や点滴薬を使った医療が提供できるとは思いもしない方が多いようです。
 このため、我々は「在宅でここまで療養できるのだ」ということを、まずは多くの方々に知っていただき、そのうえで「自分の家で最期を迎える」選択が決して無理でないと広く発信し、自宅での看取りを望む方々を全力でサポートしたいと考えています。

健康サポート薬局の届出を行うため、OTC医薬品については基本的な48薬効群を取りそろえている

薬局で薬剤や医療材料を車に積み込み、患者宅へ向かう。主に福山市東部の患者を担当する