在宅薬剤師のもり日記_17

在宅薬剤師のもり日記_17

いつも同じ薬を処方されている患者さんに対し、「聞くことがなくなってしまった」と悩むのは、よくある話ではないでしょうか。

薬を自宅にお届けする場合は追加料金がかかるので、さらにいたたまれない気持ちが増します。なんとか指導を充実させなくてはとあせっていたとき、ある患者さんのご家族からこんな言葉をもらいました。「薬のためだけに薬剤師さんに来てもらっているんじゃない。月に何回かでも来てくれることで家の中に“風”が通ってありがたいのよ」――。そんな考え方もあるのかと驚くと同時に本当にうれしくなりました。私たちは過度に自分を卑下する必要はなく、気持ちの良い“風”であるために何ができるかを考えつづけることが大切なようです。