在宅薬剤師のもり日記_23

在宅薬剤師のもり日記_23

 先日、95歳のMさんのお宅を訪問した際、「がんばりましょうね!」と声をかけられました。「何を」とはおっしゃいませんでしたが、限りなく「生きていくこと」に近いものだと感じ、そう受け取りました。

 将来、高齢あるいは病気になって介護が必要になったら、私はMさんと同じことが言えるだろうかと考えました。「がんばって生きていこうと思う」と誰かに明るく表明できるでしょうか。老いや病気と向き合う力は誰しも持っているかもしれませんが、それを前向きな言葉に乗せて表に出すには、また別の強さのようなものや、さらには他者への思いやりも必要だと思うのです。だからこそMさんの言葉に触れた瞬間、はっとして、うれしくなりました。