在宅薬剤師のもり日記_22

在宅薬剤師のもり日記_22

 居宅訪問に伺っているTさんはひとり暮らしで認知症の症状があります。温和な方ですが、ある時期から非常に怒りっぽくなり、被害妄想、訪問拒否などがつづきました。お会いするたびにたいへん緊張したのですが、精神科への通院や環境の変化等を経て、今は穏やかな生活を取り戻されているようです。現在、日々を楽しそうにすごされるTさんを見ながら、以前は怒りたくて怒っていたのではなかったのだろうなと考えます。かといって、以前の彼女が「本来のTさん」ではなかったというのも違うと感じます。

 患者さんの症状が進んだり、性格や考え方が変わって驚いたとしても、「こんな人じゃなかったのに」と否定することなく、寄り添っていこうと思っています。