ファーマシィ薬局たかまつ

ファーマシィ薬局たかまつ

開   局:2007年7月(2015年8月移転)

所 在 地 :〒760-0076
      香川県高松市観光町539-5

アクセス:ことでん松島二丁目駅または花園駅より徒歩10分

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患者を増やせない事態に直面する

 当薬局の近隣にあるのは泌尿器科と産婦人科のクリニックであるため、処方数が少なかったり、患者さんの年齢が若かったりして、かかりつけ薬剤師の介入を必要とする患者さんが少なかったのです。
 さらに、高松市は院内処方の医療機関が多く、当薬局の近くの医療機関の処方せんを扱うだけでは、患者さんの数を増やすことは困難でした。

市内中の施設をまわって 連携関係の構築に成功

 そこで考えたのは、当薬局を門前薬局ではなく、市内全域の医療機関の患者さんに来ていただく面薬局に育てることでした。患者さんを増やすために従来の〝好立地〞という手法が使えないのなら、国が推し進める面薬局をめざそうとしたのです。
 手始めとして、健康サポート薬局の認定を受けようと、市内中の医療機関や訪問看護ステーション、介護事業所などへ、連携施設になっていただくお願いをしてまわりました。面薬局をめざす私の考えに共感してくださる方も多く、連携施設は46 施設に達して、無事、健康サポート薬局の認定を受けられました。
 また、患者さんに検査値などのデータを見せていただき、腎機能や体重などから「用量が多すぎるのでは」と気になったときには疑義照会や処方提案を積極的に行うようにしました。こうしたことから、昨年8月に制度が始まった地域連携薬局の認定においても、多くの薬局でネックとなる情報提供の条件をスムーズにクリアできました。
 こうした努力が実り、コロナ禍でも処方せん受付枚数は減少せず、現在では市内を中心に75以上の医療機関から200枚以上の面処方を受けつける薬局になりました。

遠方からの依頼も含めて 在宅医療への対応を強化

患者さんに対するアピールのみならず、薬局のスタッフ全員に『当薬局は面薬局なんだ』と意識づける効果もあった

 当薬局では、在宅医療にも注力しています。以前は介護施設内の訪問に限っていたのですが、現在は個人宅も加え、当薬局周辺はもちろん、牟礼、庵治、志度といった往復20キロメートルほど離れている地区において、配達や緊急訪問も含めると月100件程度訪問しています。正直に言えば、遠方への訪問は採算面で厳しいのですが、在宅医療に対応できる医療機関や薬局が少ないことから、がんばって訪問をしています。

薬局は立地がすべてではない 面薬局をめざして尽力しよう

 当薬局の成長に驚かれる方も多いのですが、薬局機能を何かに特化したわけでもないですし、患者さんに何か特別なことをした自覚もありません。前述の疑義照会や処方提案であったり、併用薬が多くて困っている患者さんに対して一元管理を提案したりといった当然の対応を重ねるうちに、患者さんが「この薬局は安心できる」と思ってくださり、さらにそれが口コミで広がったのではないかと推察しています。
 薬局経営は「結局、立地がすべて」と考える風潮がまだあるようですが、私は立地だけに依存した経営には限界が生じていると感じています。ぜひ、ほかの薬局の皆さんにも、面薬局をめざしていただきたいと思います。

来局者の目線を意識して OTCなどの商品を配置

 当薬局は手狭なので、待合室全体に棚を配置しつつ、かつ患者さんに圧迫感を持たれないよう工夫をしながら商品を並べています。その際、季節の商品などの〝イチ押し〞は、患者さんがイスに座ったときの目線に合う位置や、入り口のそばなど目立ちやすいところに置きます。また、患者さんは必ずカウンターに寄るので、少量ですが、カウンターの上にも商品を並べ、患者さんの目を引くようにしています。
 当薬局には、処方せんを持たずにOTCのみを買いに来る患者さんも少なくありません。探しているOTCがない場合でも、当薬局では取り寄せに対応しているので、注文をしてくれる患者さんもいます。

待合室の棚に並べられたOTCなどの商品。チラシで紹介していた低糖質のチョコレートは、患者 がイスに座ったときの目線の位置という”一等地“に置かれていた

薬剤師のひとりは、アロマテラピーアドバイザーの資格を持っており、その知識を生かしたアロマテラピー関連商品も用意している

カウンターの上にも少量だがアピールしたい商品を置いている