ファーマシィ薬局あい

ファーマシィ薬局あい

開  局 :2004年1月


所 在 地 :〒543-0027
     大阪府大阪市天王寺区筆ケ崎町2-61


アクセス:近鉄線鶴橋駅より徒歩5分

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特にがんや呼吸器の疾患で、病院と強固な連携を構築

 大阪市天王寺区にある大阪赤十字病院の目の前に所在する当薬局には、同院の患者さんが多く来局し、応需する処方せんの内容は実に多岐にわたります。さまざまな側面で同院との連携を進めていますが、中でも力を入れているのが、がんや呼吸器疾患です。
 両疾患では、同院から服薬情報提供書の提供を受けています。それによりたとえば、がんの患者さん個人のレジメンを把握し、適切な服薬指導を行うことが可能になりました。また、同院呼吸器内科や薬剤部が開催する勉強会に参加して吸入薬の吸入指導のレベル向上に努めています。その甲斐あって最近は「丁寧に吸入指導をしてくれるという話を聞いた」と言って来局してくれる患者さんも少なくありません。

抗がん剤の副作用の口内炎 漢方薬の提案を受け入れられる

【資料】トレーシングレポートの例

 がんに関しては、新しい治療技術や治療薬が次々に開発されているため、発表される情報などにできるだけ目を通しています。
 先日、「抗がん剤の副作用の口内炎に悩まされている患者さんがいるのだが、何か良い方法はないか」との相談を受けました。うがい薬はひととおり試して改善が見られなかったので、以前、のどや口腔内の炎症に効果が見られると文献に書かれていた漢方薬である『半夏瀉心湯』の処方提案をしました。
 大阪赤十字病院の主治医にそれを盛り込んだトレーシングレポート(【資料】)を送ったところ、医師が半夏瀉心湯を処方し、症状が良くなったというのです。日ごろの病院との密な連携から得られた、主治医の薬剤師への信頼があってこそ成しえた処方提案の受け入れだったと、努力が報われた気がしました。

病院薬剤部主催の会議に参加 患者の様子や治療計画を知る

 大阪赤十字病院では、薬局を対象に薬物治療連携会議を開催しており、当薬局も頻繁に出席しています。この会議では、前もって同院薬剤部が薬局に対し「詳細を知りたいと思う患者さんはいないか」と呼びかけ、集まった患者さんの候補の中から会議でとり上げる症例を選び、匿名で治療状況等を解説してくれます。
 先日、同会議で当薬局の患者さんがとり上げられました。病院での様子や治療計画が紹介されたり、処方薬への疑問にも答えていただけたりと、たいへん勉強になりました。
 今後は、当薬局からも「薬局でこのような服薬指導をしている」などの情報を発表し、同会議を病院薬剤部と薬局が知識を深め合い、患者さんの治療により寄与するための交流の場にしていきたいと考えています。

地域イベントに協力して、近隣住民へ存在感をアピール

 大阪赤十字病院の患者さんの中には近隣のみならず、奈良県、和歌山県、三重県など遠方にお住まいの方も多くいます。大規模病院の門前薬局として幅広いエリアの患者さんに専門性の高い服薬指導を行えることは誇らしく、また、頼られることもありがたく感じています。
 ただ、同時に「もっと近隣住民の方にとって役立つ薬局になれないか」との思いも抱いています。そこで、当薬局は現在、積極的に地域活動に参画しています。1例として、毎年6月に天王寺区がスポーツセンターで開催するスポーツイベントへの協力が挙げられます。イベント会場に体組成計を持ち込み、骨密度や筋肉量のバランスなどを測定し、数値が良くなかった方には対策を提案します。
 また、同区が赤ちゃんのいる親御さん向けに実施するイベントでは、赤ちゃんの紫外線ケアや熱中症対策についての講演などをします。
 こうした地道な地域での取り組みを通じて当薬局を近隣住民の皆さんに知っていただき、「困ったときに、まず相談する」存在になりたいと願っています。

患者が答えやすい質問を意識したサポートコール

 当薬局では、がんの患者さんに関して大阪赤十字病院から提供された服薬情報提供書をもとに、調剤後の服薬フォローアップや、得られた情報の同院へのフィードバックを行っています。
 服薬フォローアップは、当社内では『サポートコール』と呼ばれ、電話で行います。重要なのはタイミング。抗がん剤の治療開始後、副作用が出やすい時期を製薬会社が公開している情報などから予測し、そのタイミングで電話をかけるのです。
 サポートコールは事前に許可をいただけた患者さんのみに行いますが、実際に電話をかけてみると「あまりに辛くて話せない」と言われるほど、体調がすぐ
れない場合が多々あります。したがって、「体調はいかがですか」といった抽象的な聞き方ではなく、予測した副作用について患者さんが簡潔に答えられるよう、「〇〇の症状は出ていませんか?」など具体的に尋ねることを心がけています。
 病院へのフィードバックでも具体的な伝達を意識しており、単に「吐き気がある」ではなく、「1日に△△回の吐き気」といった詳細な説明をトレーシングレポートに記載します。

がん患者の多い同薬局では必須だと考えて導入した、患者が座って相談できるスペース。カーテンを閉めれば、患者のプライバシーも確保できる。これにより、地域支援体制加算の算定要件も満たしている

大阪赤十字病院では院外処方せんへの検査値の記載を実施しており、薬局でも患者の腎機能を確認できる。そして、腎機能の低下が見られる患者には、同薬局で取り扱っている減塩・無塩食品をすすめる

リウマチ患者や糖尿病患者の来局が多く、常に生物学的製剤やインスリンの在庫を切らさないようにするため、薬品冷蔵庫が他薬局とくらべて大きい