在宅薬剤師のもり日記_24

在宅薬剤師のもり日記_24

在宅患者のご家族が介護や治療に協力的だと、医療者としては頼もしく、ありがたいものです。患者さん自身もそんなご家族を自慢に思っている様子だなと感じる場面がしばしばあります。

ですから、細やかに気遣ってくれる息子さんを持つある患者さんから「親らしく振る舞えないこと」についての寂しさ、辛さをお聞きしたときには胸を突かれました。同時に、今まで「良い家族関係」だけを見て安心してきたことに気づきました。親としてのこうした感情は、多くの高齢者が抱えるものなのでしょう。想像するのは、決して難しくない思いです。人としての経験不足や医療者としての偏った見方によって見すごしてしまっていたのだと、我が身のいたらなさを痛感しました。