在宅薬剤師のもり日記_3

在宅薬剤師のもり日記_3

貼付剤等での疼痛管理が困難になった末期がんの患者さんに対し、麻薬注射の調剤依頼をお受けするケースがあります。

そうした場合、私たちは、患者さんの最期が近いタイミングで初めてお会いすることになります。先日、麻薬注射の調剤依頼があった女性の患者さんも初回訪問時にはすでにほとんどお話しできない状態で、私がお宅を辞してから数時間して亡くなられました。後に余った注射などの回収のため再訪した折り、遺影を前にして、薬剤師として彼女の痛みを数時間でも和らげるお手伝いをさせていただけたこと、そして、ひとりの人間として彼女の人生の最期にかかわらせていただけたことに感謝し、心の中でそっと「ありがとうございました」とつぶやきました。