在宅薬剤師のもり日記_6

在宅薬剤師のもり日記_6

家族がなく、ひとり暮らしでケアが難しそうな女性の患者さんの退院時カンファレンスに参加しました。医療や介護の各職種の方々が、患者さんが安心して暮らせるよう各々の立場から知恵を出すのですが、話せば話すほど心配ごとが増えていき、「退院しないほうが、本人にとって良いのではないか?」という空気になりかけました。

 ところが、病室で寝ていたご本人が呼ばれて来ると、彼女は帰宅を楽しみにしてご機嫌な様子でした。退院を不安がっているのは私たちだけだったのです。彼女の気持ちを知って、すぐに前向きな話し合いが始まりました。訪問スケジュールを組み、緊急呼び出しボタンの手配をし、数日後には無事、在宅ケアが開始されました。